誰でも出来る褒め方の心理学!これであなたも調教師の仲間入り!
最近、褒められていますか?
大人になると褒められる頻度が少なくなりますね。
でも、この「褒める」には絶大な効果が秘められているので、僕はこの記事を読んでいるあなたに「褒める側」へ回っていただきたいと思っております。
動物を褒めるとどうなる?
褒められると気持ちいですよね!
女性に手料理を披露して「irukamanさんスゴイ!」って言われると、次回のデートでも手料理を披露したくなります。
そう。褒めると動物は頑張っちゃうんです。
あなたが見るイルカショーのジャンプや、ドックショーのフリスビーキャッチなどは、全てこの「褒める」事で成り立っています。
また、褒めてくれた相手にプラスの感情が発生します。これは俗にいう恋愛感情とかでは無く「その相手との関係を築いていきたい」だとか「近くにいて安心する」など、この先関係を続けていくために重要なものです。
毎回会うたびに叱責してくる相手と良好な関係を築けるわけなんてないですからね。
褒めるためにはまず、お互いに良好な関係を作っておくことが重要です。
褒めるってどういうこと?
では「褒める」ってどういう事でしょうか?
僕はイルカに調教する際「行動分析学」という心理学を応用し調教をしていました。
- 褒める=強化子が提示(出現)する
さて、聞き慣れないワードが出現しましたね。
この強化子こそ、褒めるために重要なポイントとなります。
では解説していきましょう。
強化子とは
なぜ動物は行動を繰り返すのか?それには以下のような仕組みがあります。
- 行動の直後に
- 強化子が出現し
- 行動が増える
この「強化子」こそ褒め言葉であったり、報酬(ご褒美)であったり、あなたの笑顔なのです。
- 強化子=行動を増やすことができる刺激
これを、対象(ペットや旦那)の繰り返させたい行動の直後に出現させる事で、彼らは行動を繰り返してくれるのです。
褒め方のテクニック
「褒め方」にもたくさんの種類があります。
ここでは、その中でも重要と思うものをいくつか紹介します。
- ご褒美の種類
- 褒めるタイミング
- 褒める回数
思いっきりシンプルに、以上の3つを挙げました。
ご褒美の種類
結論から言うと
- 強化子(ご褒美)の種類は多ければ多い方が良い
です。
その理由は
- 動物はご褒美に飽きる
- 使い分けが可能
そう。せっかく、素晴らしいご褒美を用意しても動物はそれに「慣れて」しまうのです。もらって当たり前のご褒美は、もうご褒美ではありません。
つまり効果が無くなってしまうのです。
また、使い分けができる方が便利です。
ちょっと頑張った時、めちゃくちゃ頑張った時で同じ報酬なら、ちょっとしか頑張らなくなりますよね。
褒めるタイミング
結論です。
- 行動した60秒以内に褒めろ!
あなたから出るご褒美の効果は、行動の直後。
具体的には60秒以内でしか、その効果を発揮しません。たとえイルカが素晴らしいジャンプを見せたとしても、1時間後にお魚を100匹あげようが全く無意味です。
また、60秒以内なら良いってわけでもありません。
「可能な限りすぐ」です。
60秒に近づくほど、その効果は減少していくと覚えていてください。
褒める回数
少しテクニック的な要素です。
- 難しいことに挑戦し始めは毎回褒める
- 少し慣れてきたら8割褒める。
- 完全にできるようになったら数回に1回褒める。またはランダムに褒める。
イルカに行動を教える際、ただ魚をあげている訳ではありません。
以上の3ステップを意識し、褒めまくるのです。
難しいことに挑戦し始めは毎回褒める
あなたにとって簡単なことも、相手によれば難しいかもしれません。
何かを教えたい時、特に教え始めは毎回褒めましょう。
毎回褒めると相手は自信が湧き、あなたとの間に信頼関係を築くことができます。
この作業が、今後とても重要となります。
少し慣れてきたら8割褒める
毎回褒めると、相手の行動の頻度が増えます。
そうすれば今度はレベルを上げ、全体の8割を目指して褒めましょう。
行動の2割は褒めません。
この2割とは
- 次のステップへ進むにはレベルの低い行動
- 雑な行動
です。
これらを褒めても良い事は何もありません。
全ての行動の中から、より質の高いものだけにご褒美を出します。
完全にできるようになったら数回に1回褒める。またはランダムに褒める。
完全にできるようになれば、3回に1回褒める。10回に1回褒めるなど、褒める頻度に変化を加えます。
いつ褒められるか分からない。いつ報酬が出るか分からない。
そうした状況を作る事で行動は長期間維持され、この先も頑張ってくれます。
まとめ
約2000文字に渡って、褒め方について書かせていただきました。
僕が現役時代、動物に対して褒めるために意識したポイントは以下のようになります。
- 何が出来ないか課題を分析
- 簡単なことからチャレンジさせ出来る体験をさせ、褒める
- 褒め方を様々に用意
- うまく出来たら即褒める
- 熟練度によって褒める回数やタイミングを変化させる
以上が行動分析学を応用した褒めるテクニックです。
まずは、褒めることから始めてみませんか?きっと良い結果が待っています。
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