人生はイルカに聞け!元調教師のコミュ力向上委員会

30代前半の元イルカの調教師、が対人関係や動物のしつけに関する情報を発信するブログです

褒めて伸ばす時は具体的に!「すごいね・エライね」では伝わらない!

ブログを開設してから記事も増えてきました。

3日坊主にならなかった自分を褒めてやりたい………。

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でも、褒める時にただ「すごいね!」や「エライね!」だのを連呼しても、中々相手に伝わらない。

これが、言葉の伝わらない動物相手だと尚更。

なので、具体的に褒めるを意識しなくてはいけません。

褒める時は具体的に

動物は、行動の後の報酬によって行動を繰り返すか否かを学習していることは、こんブログでも度々お話してたと思います。

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この記事で「ご褒美の正体」についても書きましたが、基本行動の直後60秒以内にご褒美が出ないと、たとえご褒美が出ていたとしても行動を繰り返すことは無いと言われています。

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それだけ、私たちの行動はご褒美に左右されているのです。

さらに、この「行動の直後」が非常に大切で、褒めるタイミングが行動の直後であればあるほど「具体的に褒められている」と感じるのです。

なのでイルカの調教の場合は、可能な限り行動の直後に強化子(ご褒美)が出現するように意識して行います。

 

相手が人間だったら

では、相手が人間だったらどうでしょう?

相手が人間の場合「言葉」が通じますので「すごい!」や「エライ!」などの俗にいう褒め言葉が使用できます。

ただ、どうせ言葉が伝わるならより細かく褒めてみませんか?

 

子供の場合

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例えば、上手に片付けが出来たとしましょう。

ただ「エライね」では、行動の何がエラかったのか伝わりません。

  • おもちゃの箱に全部のおもちゃを戻した行動
  • 自分で使ったものを片付けた

など、行動の具体的な部分を褒めてあげるよ良いかと感じます。

 

大人の場合

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大人の場合ではスポーツの場面でコーチがこの手法を使用しているそうです。

  • バッティングの腕の角度
  • 踏切のタイミング

スポーツ選手ならではの重要なタイミングがあるかと思いますが、こうしたタイミングが褒めるタイミングであることは間違いありません。

 

相手が動物だったら

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では、相手が「言葉の伝わらない」動物であればどうでしょう?

よく水族館で見かけるハンドウイルカの場合、人間の声は彼らが使用している音の音域より低いと言われているので、声で褒めるということはできません。

 

そこで「ホイッスル」や「ブリッジ」と呼ばれる笛を、普通どの調教師も口に咥えています。

この笛の音は「今の良かったよ!褒めてあげるからも私の所に戻っておいで!」という意味が含まれている合図なので、笛の音が鳴るとイルカたちは担当トレーナーの前に戻ってきます。

 

これは2次性強化子と呼ばれるものを利用した手法です。

言葉で伝わらない分「正解」を伝える音を決め、動物に具体的に褒めることを可能にしています。

調教を行う際、この2次性強化子を使用するか否かで動物への伝わり方が全く違ってきます。

どこで笛を吹くかによって

  • ジャンプの高さ
  • 飛び出し位置
  • 他個体とのタイミングを合わせる
  • 戻りの速度

など、様々なポイントを細かく褒めることができるんです。

まとめ

ただ褒めるだけでは何も伝わらないことは、イルカたちが教えてくれました。

動物は「具体的に褒められる」ことで、より学習が進みます。

まとめとして

  • 相手が行動した直後(60秒以内)に
  • 褒めたいポイントを
  • 具体的に褒める
  • 動物が相手の場合は、2次性強化子を利用して
  • 行動の直後に褒める合図を送る

こんな感じでしょうか?

2次性強化子については、次回お話し出来たらいいなと思います。

過去記事

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