イルカの歯について意外と知られていないこと10選
こんにちはirukamanです。
友人から「イルカの歯」について質問があったので、水族館でイルカを見るだけでは伝わらないイルカの歯についてまとめてみました。
- イルカの歯について意外と知られていないこと10選
- イルカの歯の特徴
- イルカの歯は何本?
- 人間とは違う歯の使い方
- 抜けたら終わり
- 虫歯になるの?
- イルカの歯で年齢がわかる?
- イルカの歯並び
- イルカの歯は怖い
- 野生のイルカと水族館のイルカの歯
- 最後に
イルカの歯について意外と知られていないこと10選
まず最初に説明することは
- イルカはクジラの仲間
ということです。
このクジラ(鯨類)には現在約90種類ほどの仲間が見つかっており、その身体のサイズによって「クジラ」と「イルカ」に分けることができます。
基本的な話は上のリンクから過去記事に飛べますので、気になる方は暇つぶしにどうぞ
さて、このクジラという生き物ですが、口の中に生えている物の違いで2つに分けることもできます。
こういった感じです。
水族館でよく見かけるイルカや、一見クジラのような顔つきのオキゴンドウなどは後者の「ハクジラ」
つまり、口の中に「歯」が生えているということになります。
イルカの歯の特徴
イルカの歯には「同歯性どうしせい」という、哺乳類の中では例外的な特徴があります。
同歯性とは、口内に生える歯の形状が全て同じ形をしているものです。
また、すきっ歯で、歯と歯の間に間隔があり食べたものは挟まりません。
人間の場合は「異歯性いしせい」であり、前歯と奥歯では形状や用途が異なります。
哺乳類と爬虫類は異歯性となります。
イルカの歯は何本?
イルカの歯は、その種類によって本数が大きく変わります。
水族館でよく見かけるイルカ「バンドウイルカ」の場合は約80本。
また、関西近辺でよく活躍しているハナゴンドウは5本から16本と個体差があります。
これには、そのイルカの食性が大きく関わっていると考えられており、魚を食べるイルカは歯の本数が多く、イカを主食にするイルカは歯の本数が少なくなる傾向にあるのではないかと考えています。
実際、ハナゴンドウの場合は食べ物の殆どがイカのため、イカを咥えて捕まえるのではなく吸い込む形で捕食しますので歯を使っている様子はありません。
人間とは違う歯の使い方
私たち人間は歯を以下の用途で使用します。
- 食べ物を噛み切る
- 噛み砕く
- すり潰す
食べた物を飲み込みやすくするため、様々な使い方をしますね。
しかし、イルカは違います。
- 捕食時の滑り止め
- 攻撃の武器
捕まえた獲物が逃げないよう、しっかり滑り止めに使います。
実際彼らは時速30km/hで泳ぎながら、ヌルつく魚を捕まえないといけない訳ですから、滑ってしまう様な歯では使い物にならないですね。
さらには、攻撃の際の強力な武器にもなります。
あの歯で噛まれたら痛いでしょうね………。
ちなみに、水族館で飼育されているイルカは噛まないと思っている方は沢山いらっしゃいますが、嫌なことされたら彼らも怒って噛んできますからね?
抜けたら終わり
サメの歯の様に何回でも生え変わる歯もあれば、人間の様に乳歯から1度だけ生え変わるものもいます。
イルカの場合は、生まれてから死ぬまで一生永久歯です。
つまり、抜けたら終わり。
生えてきません。
折れても、削れてもダメです。
虫歯になるの?
なりません。
歯、殆ど使ってないですから。笑
って現役時代はよく言ってましたが、海の中に虫歯菌がいないからだそうです。
それ以外の歯のトラブルは見たことがあります。
歯肉炎?っていうんでしょうか?
口がやたら臭い個体の担当になったこともありますし、歯髄炎の治療も経験しました。
一般的な私たちが罹る虫歯がないだけで、結構お口のトラブルは見かけました。
イルカの歯で年齢がわかる?
わかります。
イルカの歯を垂直に2等分すると、年輪の様な筋が確認できます。
これを数えることによって、イルカの年齢を調べることができます。
しかし、上記にも書きましたが高齢個体の場合、歯がすり減ってしまうので正確な年齢は判らなくなるんでは?と疑問を持っていました。
イルカの歯並び
歯並び良いです。
でもたまに歯並びが変な個体がいる様です。
隙間なく2本並んだ歯を持った個体を見たことがありますが、本人はさして問題にしていなかったので、イルカは特に歯並び気にしない様ですね。
イルカの歯は怖い
見た目の話ですが、結構怖いです。
鋭利な円錐状の歯が上下に合計80本は迫力の一言です。
甘噛みなど彼らには存在しません。
もし噛まれたなら、噛んだ瞬間頭を動かすので穴が開くことはなく、裂傷になり即病院は間違い無いでしょう。
イルカの口内には雑菌もいますから、消毒もしなければなりません。
彼らは顔に似合わず、口の中に恐ろしい歯を持っているのです。
とかなり脅し気味で書きましたが、噛まれるとマジで痛いので無闇に手を伸ばしたらダメですよ絶対。
野生のイルカと水族館のイルカの歯
一生同じ歯を使い続けるため、野生のイルカの場合は高齢個体になると歯がすり減り、獲物を捕獲できないのでは?と言われています。
それとは対照的に、水族館のイルカはスタッフが口に魚を落とすので、歯は殆ど使いません。そのため、高齢個体になっても歯がしっかり残っている個体が沢山います。
最後に
歯を一つとっても動物の種類によって様々なことがわかりました。
近くで何気なく見ている動物ですが、まだまだ知られていないことが沢山。
1つの物事をいろんな角度で見ることが出来れば、世の中とっても楽しくなるのではないでしょうか?
過去記事