ドルフィントレーナーになりたい人へ!元調教師が仕事内容についてまとめてみた
「イルカの仕事ってどんな感じだったんですか?」
と聞かれる今日この頃です。
実際、身の回りに「イルカの調教師」は少ないですし、仕事内容も謎の多いわけですから、飲み屋では質問攻めにあうことも。
なので、ちょっと仕事に関してをまとめてみました。
ドルフィントレーナーの仕事内容
イルカの調教師は、水族館やふれあい施設に所属しイルカの調教を行います。
しかし、調教・トレーニングだけが彼らの仕事ではありません。
その仕事内容をザックリまとめてみましょう。
調教師の仕事
調教師と呼ばれる職業ですが、調教ばかりではなくデスクワークやショー・イベント司会、雑務など様々な業務が一日の中で必要となります。
僕の場合、朝6:30ごろに起床し、出勤する生活を送っていましたが、同じ時間帯に会社へ出勤し、作業をする水族館もあると聞きます。
洗い物と雑務
一日の殆どが洗い物です。
上手くすれば、イルカの調教の時間が少し長くなるので効率よく動けるかが重要です。
洗い物はとても重要な仕事で、イルカの台所の洗い作業が雑になると病気が蔓延することもあります。
調教
「イルカは賢い」とは言われますが、1回や2回調教をしたからといって、すぐ行動を変えてくれたり覚えるようなことはありません。
日々の練習の積み重ねが、形になりようやく人目に触れるわけです。
継続は力なり
というわけですね。
イルカショー
僕の務めいていた水族館は午前、午後2回ずつ。合計4回のショーをこなしました。
また、GWや夏休み期間など来館者が増える繁忙期には、プラス2回臨時に開催するなど、シーズンによって変動があります。
イルカの触れ合いイベントや、餌やりイベントなども開催する場合があるので、繁忙期は非常に忙しくなります。
デスクワーク
それぞれイルカたちには、個体日報という者が存在しており、業務の最終にその個体が何をしたのか、調教の具合や1日の様子などを細かく記載します。
記載した内容は数年間保管され、調教や体調不良で困った時、データや情報がほしい時などに見返すことができるようになっています。
また、学会発表などに参加する場合は、パワポを使った資料作りなどが含まれます。
仕事のやりがい
僕が現役時代の約10年間に感じた仕事のやりがいは以下のようになります。
- 担当個体の妊娠
- 観客にイルカのことを知ってもらう
- 後輩の成長
こうした数々のやりがいを見つけたお陰で、約10年続けることが出来ました。
もちろん、現在の水族館で10年以上活躍されている調教師はたくさんいらっしゃいます。本当に尊敬します。
やっててキツかったこと
やりがいがあるからこそ、キツかったこともあります。
- 担当個体の病気・死亡
- 冬の水中作業
- 担当個体が言うことを聞かない
病気や死亡に係ることは、やはりキツく印象に残りました。
担当個体が言うことを聞かない。これも精神的にキツかったですね。とにかく、持てる知識を総動員して、調教をやり直し自分が出来ていなかったことを改めます。
お給料について
イルカの調教師になるために、専門学校へ通われている生徒さんやその親御さんによく聞かれるのが、お給料についてです。
正直、あまり期待はできないです。
僕の場合、勤続年数が10年超えても手取り18万円はありませんでした。
この辺りも、男性なら葛藤する理由なのかもしれません。
しかし、給料では支払えない経験を積むことが出来たのは、非常に幸せと感じています。
休日の過ごし方
基本的にはシフト制で休みが決まっており、休みの日は買い物やドライブ、遠出をすることもありました。
趣味のカメラも楽しめましたし、僕には十分すぎる時間でしたね。
新人時代は、休日に職場へ向かい担当個体のイルカの様子をみに行くこともありました。調教の状態によっては、休日返上で調教をしてましたねー。
今では問題になるんでしょうか?
まとめ
今回は、イルカの調教師の仕事内容についてまとめてみました。
知りたい情報や、意外な情報はありましたか?
明日の話のネタにしていただければ幸いです。
過去記事
イルカの種類は何種類?寿命は?意外と知らない基本まとめ15選
現役時代、来館されたお客様から多数のイルカに関する質問がありました。
イルカを飼育展示している僕にとって、イルカの魅力を可能な限り、自分の言葉で伝えたいとは常々思っていたので、今回はその中でもよく聞かれた質問をあげたいと思います。
イルカ好きの方には基本的な情報も、まだまだ浸透していないことが多いと感じましたので、どうぞお付き合いください。
- イルカは何種類いる?
- イルカの寿命は何年?
- 水族館で見られるイルカは何て種類?
- イルカは魚?哺乳類?
- イルカの食べ物は何?
- イルカの歯の数は何本?
- イルカの視力はどのくらい?
- イルカが賢いって本当?
- イルカが使う超音波ってどんなもの?
- イルカの祖先は陸に住んでいた
- 川に住むイルカ
- イルカの群れ構成
- イルカの出産について
- イルカの子育てについて
- 子イルカにはヒゲがある
- 最後に
イルカは何種類いる?
頻繁に訊かれた質問が、イルカは何種類いるのか?です。
イルカを含め「鯨類」と呼ばれる彼らは、約90種類見つかっています。
鯨類にはクジラとイルカが含まれているので、イルカはクジラの仲間ということになりますね。
クジラの場合、ホエールウォッチングで見るザトウクジラや、ディズニーでピノキオとおじいさんを丸呑みにしたマッコウクジラが有名ではないでしょうか?
余談ですが現役時代、たまに困ったことがあったのが「シャチ」についてです。
彼、マイルカ科なのにアメリカだとクジラって呼ばれるんですよね。
そもそも、クジラとイルカは大きさで区別しているので、平たく言えば
- 4〜5m以下のクジラ = イルカ
という感じで分けています。
ちなみに、南国イメージの強いイルカですが、シロイルカはロシアに近い所で生活しています。
最近ロシア軍の施設から逃げてきたんじゃなないか?と疑惑があったシロイルカがニュースで挙がってましたが、暖かいところから寒いところに色んな種類が住んでいるんですね。
イルカの寿命は何年?
可愛く人気のイルカ。長生きして欲しいです。
水族館の飼育スタッフは、イルカが長生きできるよう身体面や精神面で様々なケアーを日々行なっています。
あなたが水族館で目にするイルカは、30〜40年が寿命と言われています。
イルカは1年で2歳年をとりますので、10歳のイルカは人間でいうと20歳、40歳のイルカは80歳と考えることができます。
メスのイルカは8歳から10歳くらいで子供を産めるようになり、大人になったなーと感じますが、オスのイルカは10歳過ぎてもオス同士でじゃれ合っていた印象があるので、大人になるのが遅いのかな?という印象でした。
水族館で見られるイルカは何て種類?
水族館に行けば会えるイルカは「ハンドウイルカ」が多いですね。
施設によってはバンドウイルカと濁すところもありますが、どちらでも伝わるので大丈夫です。
彼らは大人になると体長3m、体重300kgに成長します。と言っても、僕の場合はそこまで大きな個体は殆ど見たことないので、実際はもう少し小さいサイズが活躍しているのではと考えます。
文章だと見にくいですね。
この辺が、水族館で活躍していることがあります。
たまーに保護された珍しい種類が展示されることも……。
イルカは魚?哺乳類?
これ、結構訊かれました。
彼ら、哺乳類ですからね!
「へーウロコないんだ!」とか「水の中で息止めてるんだ!」とか「ヌルヌルしてそう」とか言われ放題でしたから、どうか宜しくおねがします。
ちなみに、縦向きの尾びれを左右に振って泳ぐ魚に対し、イルカはバタ足で泳ぐので僕たちに近い感じがしませんか?
イルカの食べ物は何?
水族館のショーで活躍しているお姉さんが、イルカに与えているメニューの内容は大体以下のようになります。
- サバ
- アジ
- サンマ
- キュウリウオ
- ホッケ
- ニシン
- イワシ
僕たちが普段食べる魚と同じような種類を食べているんです。
ただ、イルカのお弁当箱に振り分ける際、必ず目視で釣り針がかかっていないか?や、
痛んでいないかのチェックをします。
イルカの種類によってはイカを中心にメニュー作りした方が調子が良いってのもありました。
あと、季節によってメニュー変えましたね。
夏はカロリー控えて、冬は寒いからカロリーあげて……。大変でした。
イルカの歯の数は何本?
これは種類によって異なります。
カマイルカの口の中は、結構迫力がありましたね。ギザギザですもん。
イルカの視力はどのくらい?
僕が来館された方に説明するときは
- 視力、約0.1 色は解んない。
と説明していましたが、今になって思うと結構見えていたんじゃないかと感じます。
プール内に落ちた氷も見つけて咥えて持ってきたことだってありましたし。
普通、見つけれないよ……。
ちなみに視野は、かなり広いです。
300度以上あった気がします。
イルカが賢いって本当?
「イルカって賢いですよねー!」と沢山お褒めの言葉を頂きました。
表現が難しいですが、今となって思うことは
「犬の方が賢い」気がします。
新人時代、ベテランのイルカにコテンパンにされましたねー。イルカの賢さって、余計な方向に向くことが多い気がします。
もちろん、しっかり調教の理論を持って臨んでいれば、そんなこともなかったのでしょうが、動物園なんかで見たドックショー(牧羊犬ショー)の犬の動きが印象強くて、ぼくの場合
- 犬
- イルカ
- 猫
くらいに思ってます。
そもそも、この件に関してはスタッフ間でも意見が分かれていましたね。
- 何を持って賢いとするのか
- 種目を覚えたら賢いのか
- 脳がデカイから賢いのか
- 人間に無い能力があれば賢いのか
照準をどこに持っていくかで「賢い」は大きく変わります。
賢いより「スゴイ」っていう方がしっくりくるかもしれないですね。
イルカが使う超音波ってどんなもの?
この能力は「エコー・ロケーション」と呼ばれるものです。
僕たちは「エコロケ」って呼んでいましたね。響き良いんですもん。
日本語では「反響定位」
おでこ(メロン部)から出た超音波を前方に発射し、跳ね返った音を下顎でキャッチ。
その音から、相手までの距離や質感を探るというものです。
潜水艦のソナーなんかに応用されているアレですね。
YouTubeで見ましたが、人間でも出来る人いるらしいですよ!
イルカの祖先は陸に住んでいた
イルカって、意外と面倒なヤツだなーって思ったのが、彼らの進化です。
大昔、彼らの祖先は海で生まれ、陸に上がり、再び海に戻って現在の姿へ進化しました。
なので、大昔は四つ足で陸を歩いていたことになります。
特定の環境に住む動物は、体の形状や能力がどれも似通ってしまうことがあるらしく、その所為で魚みたいなも形に似ちゃったのかな?
ウロコなくて本当に良かった。
肌触り悪そうだもん。
ちなみに、海へ戻った理由は
- 陸に食べ物がなかった
というのが一般的な解釈らしいです。
ごめんなさい。あまり詳しく無いです。
川に住むイルカ
海じゃなく川にもいます。「カワイルカ」です。
もう、そのまんまじゃねーか!というのは分かってますが、数種類いるカワイルカの殆どが、絶滅しかかってます。
保護されるべき動物ですね。
彼らがこれから先、幸せに住み続けることが出来る環境が戻って来れば良いのですが。
一番有名は「アマゾンカワイルカ」ではないかと思います。
長いクチバシ(吻)につぶらな瞳。
濁ったアマゾンでは目に頼らず生きてきたので、目が退化しているそうです。
イルカの群れ構成
イルカは女系社会なので、大きな群れのトップはお婆ちゃんイルカです。
子イルカは大きな群れの中で、子供同士遊びながら狩りを覚えるわけですね。
確かに、イルカ同士よくじゃれて遊んでいましたし、一人遊びに流行り廃りがあったり、真似して遊ぶなんてこともありました。
お互いよく見ていたんですね。
イルカの出産について
これもよく聞かれました。
イルカは通常、一産一頭です。聞いた話ですが、双子も生まれるけど多くはない。という認識でした。
子イルカは逆子の状態で母イルカから生まれます。
骨盤はありません(正確には極小の骨あり)ので、骨盤に引っかかるような難産はありませんが、それ以外に引っかかりそうな部分が沢山あるので時間がかかることもありました。(背びれとか胸びれとか)
生まれた赤ちゃんは「呼吸をする」という重大なミッションがあります。
肺呼吸の動物が水中で生まれるのですから、水でも飲んでしまった日には溺れてしまいます。
母イルカは、自身の子供を水面に突き上げてでも呼吸させることもありました。
イルカの子育てについて
初産の母イルカにはヘルパーイルカが付き添い、子育てをサポートします。
人間みたいだなーと思ったこともありました。
僕が勤務していた水族館では、子育ては上手くいかないことが多かったのですが、オッパイが尾びれ近くにあるので、授乳中は尾びれの動きを止めることが一般的だそうです。
子イルカは母イルカにベッタリで、たまに母イルカのストレスが子イルカに向かうこともあるようなのですが、野生ではヘルパーイルカがサポートします。
飼育下の出産でも、ヘルパー役のイルカを同居させ子イルカを無事成長させることが出来た例もあるようです。
子イルカにはヒゲがある
口の上のとこにヒゲが生えてます。
1週間で抜けるらしいです。
なんで生えているかは、わかりません笑
ってか水中で使うのでしょうか?謎です。
最後に
身近な人気者「イルカ」について、僕が知っていることを15項目にわたって書かせて頂きました。
いかがでしたか?
「そんなこと知ってたよ!」や「へぇーそうなんだ!」など、色々感じることがあったのなら、僕がイルカと関わってきた意味があるように思います。
過去記事紹介
人生はイルカに聞け!筆者がブログで伝えたいコト。
みなさん、初めまして。
「人生はイルカに聞け!元調教師のコミュ力向上委員会」の筆者、irukamanです。
現役引退を機に、このブログを立ち上げました。
文章を書くことには不慣れで、読みにくい内容となるかとは思いますのでご了承ください。
プロフィール
irukaman(イルカマン)です。
安直な名前ですが、解り易いと思ってコレにしました。
某水族館で約10年の現役を終え、結婚を機に引退を決意しました。
現在30代半ばで、嫁と二人で幸せに暮らしています。
20歳から水族館業界に入り、イルカと一緒に働いてきました。
約10年間の現役生活の中で多くの人と出会い、人として成長できたので担当していたイルカや、元職場のスタッフの皆さんには感謝しきれません。
そして結婚を機に、引退。(このあたりの葛藤も、今後書けたらいいな)
今はやりたいこと、挑戦したいことのため、次のステップへ足を進めました。
ブログについての説明
イルカの調教師をやっている最中、以下の様な事に悩む機会が多くありました。
- 対人関係
- 動物のしつけ
- 人生について
恐らく、多くは同年代の人たちに共通する事ではないでしょうか?
僕の悩んだ事が、このブログを読んだ人のヒントになれば良いなと思います。
対人関係
僕は約10年間、現場で働き部下を持ちました。
水族館は働く人々の年齢層が幅広く、20代前半から場所によっては40代の調教師が同じ舞台で活躍します。
そうした中で感じたこと、出会った問題の数々、イルカの調教を通して学んだ対人関係について書けたらと考えています。
動物のしつけ
僕がやっていた業務の主なウェイトを占めていたのがイルカの調教。
あまり知られてはいませんが、動物のしつけには人間の心理学を用いて調教・トレーニングを行っています。
僕の場合、中間管理職というポジションであったため「イルカの調教」と「スタッフ育成」が主な業務でしたが、イルカの調教方法は後者のスタッフ育成にも、大きな成果をもたらしました。
もちろん同じ方法で、自分自身を成長させること可能でした。
こうした部分も、ブログで書いていければと考えています。
人生について
始めにも書いたように、僕は30代半ばで引退を決意しました。
同じ30代で頑張っている人、悩んでいる人に何か少しでも力になることが出来れば、僕がこのブログを書いた意味があるのかなと思います。
あまり真面目な固い内容にはしたくないので、この辺りは僕の趣味の話でも書こうかと考えてます。あなたの役には立たないと思いますが、ご了承ください(笑)
目標
記念すべき1記事目なので、目標を3つ挙げたいと思います。
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この辺を目標に設定してみました。
3つ全て、僕がこのブログを続けるための目標です(笑)
どうか末永く、よろしくお願いします。