イルカの種類は何種類?寿命は?意外と知らない基本まとめ15選
現役時代、来館されたお客様から多数のイルカに関する質問がありました。
イルカを飼育展示している僕にとって、イルカの魅力を可能な限り、自分の言葉で伝えたいとは常々思っていたので、今回はその中でもよく聞かれた質問をあげたいと思います。
イルカ好きの方には基本的な情報も、まだまだ浸透していないことが多いと感じましたので、どうぞお付き合いください。
- イルカは何種類いる?
- イルカの寿命は何年?
- 水族館で見られるイルカは何て種類?
- イルカは魚?哺乳類?
- イルカの食べ物は何?
- イルカの歯の数は何本?
- イルカの視力はどのくらい?
- イルカが賢いって本当?
- イルカが使う超音波ってどんなもの?
- イルカの祖先は陸に住んでいた
- 川に住むイルカ
- イルカの群れ構成
- イルカの出産について
- イルカの子育てについて
- 子イルカにはヒゲがある
- 最後に
イルカは何種類いる?
頻繁に訊かれた質問が、イルカは何種類いるのか?です。
イルカを含め「鯨類」と呼ばれる彼らは、約90種類見つかっています。
鯨類にはクジラとイルカが含まれているので、イルカはクジラの仲間ということになりますね。
クジラの場合、ホエールウォッチングで見るザトウクジラや、ディズニーでピノキオとおじいさんを丸呑みにしたマッコウクジラが有名ではないでしょうか?
余談ですが現役時代、たまに困ったことがあったのが「シャチ」についてです。
彼、マイルカ科なのにアメリカだとクジラって呼ばれるんですよね。
そもそも、クジラとイルカは大きさで区別しているので、平たく言えば
- 4〜5m以下のクジラ = イルカ
という感じで分けています。
ちなみに、南国イメージの強いイルカですが、シロイルカはロシアに近い所で生活しています。
最近ロシア軍の施設から逃げてきたんじゃなないか?と疑惑があったシロイルカがニュースで挙がってましたが、暖かいところから寒いところに色んな種類が住んでいるんですね。
イルカの寿命は何年?
可愛く人気のイルカ。長生きして欲しいです。
水族館の飼育スタッフは、イルカが長生きできるよう身体面や精神面で様々なケアーを日々行なっています。
あなたが水族館で目にするイルカは、30〜40年が寿命と言われています。
イルカは1年で2歳年をとりますので、10歳のイルカは人間でいうと20歳、40歳のイルカは80歳と考えることができます。
メスのイルカは8歳から10歳くらいで子供を産めるようになり、大人になったなーと感じますが、オスのイルカは10歳過ぎてもオス同士でじゃれ合っていた印象があるので、大人になるのが遅いのかな?という印象でした。
水族館で見られるイルカは何て種類?
水族館に行けば会えるイルカは「ハンドウイルカ」が多いですね。
施設によってはバンドウイルカと濁すところもありますが、どちらでも伝わるので大丈夫です。
彼らは大人になると体長3m、体重300kgに成長します。と言っても、僕の場合はそこまで大きな個体は殆ど見たことないので、実際はもう少し小さいサイズが活躍しているのではと考えます。
文章だと見にくいですね。
この辺が、水族館で活躍していることがあります。
たまーに保護された珍しい種類が展示されることも……。
イルカは魚?哺乳類?
これ、結構訊かれました。
彼ら、哺乳類ですからね!
「へーウロコないんだ!」とか「水の中で息止めてるんだ!」とか「ヌルヌルしてそう」とか言われ放題でしたから、どうか宜しくおねがします。
ちなみに、縦向きの尾びれを左右に振って泳ぐ魚に対し、イルカはバタ足で泳ぐので僕たちに近い感じがしませんか?
イルカの食べ物は何?
水族館のショーで活躍しているお姉さんが、イルカに与えているメニューの内容は大体以下のようになります。
- サバ
- アジ
- サンマ
- キュウリウオ
- ホッケ
- ニシン
- イワシ
僕たちが普段食べる魚と同じような種類を食べているんです。
ただ、イルカのお弁当箱に振り分ける際、必ず目視で釣り針がかかっていないか?や、
痛んでいないかのチェックをします。
イルカの種類によってはイカを中心にメニュー作りした方が調子が良いってのもありました。
あと、季節によってメニュー変えましたね。
夏はカロリー控えて、冬は寒いからカロリーあげて……。大変でした。
イルカの歯の数は何本?
これは種類によって異なります。
カマイルカの口の中は、結構迫力がありましたね。ギザギザですもん。
イルカの視力はどのくらい?
僕が来館された方に説明するときは
- 視力、約0.1 色は解んない。
と説明していましたが、今になって思うと結構見えていたんじゃないかと感じます。
プール内に落ちた氷も見つけて咥えて持ってきたことだってありましたし。
普通、見つけれないよ……。
ちなみに視野は、かなり広いです。
300度以上あった気がします。
イルカが賢いって本当?
「イルカって賢いですよねー!」と沢山お褒めの言葉を頂きました。
表現が難しいですが、今となって思うことは
「犬の方が賢い」気がします。
新人時代、ベテランのイルカにコテンパンにされましたねー。イルカの賢さって、余計な方向に向くことが多い気がします。
もちろん、しっかり調教の理論を持って臨んでいれば、そんなこともなかったのでしょうが、動物園なんかで見たドックショー(牧羊犬ショー)の犬の動きが印象強くて、ぼくの場合
- 犬
- イルカ
- 猫
くらいに思ってます。
そもそも、この件に関してはスタッフ間でも意見が分かれていましたね。
- 何を持って賢いとするのか
- 種目を覚えたら賢いのか
- 脳がデカイから賢いのか
- 人間に無い能力があれば賢いのか
照準をどこに持っていくかで「賢い」は大きく変わります。
賢いより「スゴイ」っていう方がしっくりくるかもしれないですね。
イルカが使う超音波ってどんなもの?
この能力は「エコー・ロケーション」と呼ばれるものです。
僕たちは「エコロケ」って呼んでいましたね。響き良いんですもん。
日本語では「反響定位」
おでこ(メロン部)から出た超音波を前方に発射し、跳ね返った音を下顎でキャッチ。
その音から、相手までの距離や質感を探るというものです。
潜水艦のソナーなんかに応用されているアレですね。
YouTubeで見ましたが、人間でも出来る人いるらしいですよ!
イルカの祖先は陸に住んでいた
イルカって、意外と面倒なヤツだなーって思ったのが、彼らの進化です。
大昔、彼らの祖先は海で生まれ、陸に上がり、再び海に戻って現在の姿へ進化しました。
なので、大昔は四つ足で陸を歩いていたことになります。
特定の環境に住む動物は、体の形状や能力がどれも似通ってしまうことがあるらしく、その所為で魚みたいなも形に似ちゃったのかな?
ウロコなくて本当に良かった。
肌触り悪そうだもん。
ちなみに、海へ戻った理由は
- 陸に食べ物がなかった
というのが一般的な解釈らしいです。
ごめんなさい。あまり詳しく無いです。
川に住むイルカ
海じゃなく川にもいます。「カワイルカ」です。
もう、そのまんまじゃねーか!というのは分かってますが、数種類いるカワイルカの殆どが、絶滅しかかってます。
保護されるべき動物ですね。
彼らがこれから先、幸せに住み続けることが出来る環境が戻って来れば良いのですが。
一番有名は「アマゾンカワイルカ」ではないかと思います。
長いクチバシ(吻)につぶらな瞳。
濁ったアマゾンでは目に頼らず生きてきたので、目が退化しているそうです。
イルカの群れ構成
イルカは女系社会なので、大きな群れのトップはお婆ちゃんイルカです。
子イルカは大きな群れの中で、子供同士遊びながら狩りを覚えるわけですね。
確かに、イルカ同士よくじゃれて遊んでいましたし、一人遊びに流行り廃りがあったり、真似して遊ぶなんてこともありました。
お互いよく見ていたんですね。
イルカの出産について
これもよく聞かれました。
イルカは通常、一産一頭です。聞いた話ですが、双子も生まれるけど多くはない。という認識でした。
子イルカは逆子の状態で母イルカから生まれます。
骨盤はありません(正確には極小の骨あり)ので、骨盤に引っかかるような難産はありませんが、それ以外に引っかかりそうな部分が沢山あるので時間がかかることもありました。(背びれとか胸びれとか)
生まれた赤ちゃんは「呼吸をする」という重大なミッションがあります。
肺呼吸の動物が水中で生まれるのですから、水でも飲んでしまった日には溺れてしまいます。
母イルカは、自身の子供を水面に突き上げてでも呼吸させることもありました。
イルカの子育てについて
初産の母イルカにはヘルパーイルカが付き添い、子育てをサポートします。
人間みたいだなーと思ったこともありました。
僕が勤務していた水族館では、子育ては上手くいかないことが多かったのですが、オッパイが尾びれ近くにあるので、授乳中は尾びれの動きを止めることが一般的だそうです。
子イルカは母イルカにベッタリで、たまに母イルカのストレスが子イルカに向かうこともあるようなのですが、野生ではヘルパーイルカがサポートします。
飼育下の出産でも、ヘルパー役のイルカを同居させ子イルカを無事成長させることが出来た例もあるようです。
子イルカにはヒゲがある
口の上のとこにヒゲが生えてます。
1週間で抜けるらしいです。
なんで生えているかは、わかりません笑
ってか水中で使うのでしょうか?謎です。
最後に
身近な人気者「イルカ」について、僕が知っていることを15項目にわたって書かせて頂きました。
いかがでしたか?
「そんなこと知ってたよ!」や「へぇーそうなんだ!」など、色々感じることがあったのなら、僕がイルカと関わってきた意味があるように思います。
過去記事紹介