子育てで悩んでいるあなた必見!しつけと虐待の違いと虐待を繰り返す仕組みを解説
こんにちはirukamanです。
今日は、しつけと虐待の違いについて元調教師の立場からお話したいと思います。
「しつけのために」と虐待をした大人は口にしますが、これは間違いです。
しつけと虐待は全く異質のものです。しかし誰もが踏み入れてしまう罠でもあります。
しつけと虐待の違いとは
毎年ニュースで多く取り上げられる虐待事件ですが、しつけと虐待には一体どういった違いがあるのでしょうか?
しつけとは
- 礼儀・作法を教え込むこと
- 裁縫で縫い目が狂わないように、仮にざっと縫い付けておくこと。またはその糸
Googleより引用
ここで書かれているように礼儀や作法を教えることを、しつけと言います。
イルカの場合、体重300kgでありながら知能は3歳程度と言われている生き物を、人間が触れ合うために必要な礼儀や作法を教えるといったイメージでした。
この世界には、社会で生きていくため様々なルールが存在しますがソコから逸脱しないようにルールに合わせた生き方を教えることが「しつけ」ではないでしょうか。
虐待とは
様々な意味合いがあり1つの例を挙げることも難しいですが、動物の飼育者の視点では
- 過剰な身体的負荷
- 過剰な精神的負荷
- 劣悪な環境の設定
この辺りが虐待に繋がる認識です。
記憶に新しいこのニュースも、虐待事件として世間を騒がせました。
「もうおねがい ゆるして」としつけられる側が発言するものは、すでにしつけではなく虐待です。
虐待をすることで虐待を繰り返してしまう仕組み
一度始まった虐待の流れは、止めることは困難です。
なぜなら、虐待をすることで虐待をした側に都合の良いことが多く起きるためです。
負の強化
私たちが行動を繰り返す仕組みの中には
- 行動の直後に、嫌な刺激がなくなると、その行動を繰り返す
と言う仕組みが備わっています。
これを負の強化と言います。
例をあげましょう。
とある母子のスーパーマーケットでのシーンです。
- お菓子を買って!と酷く泣き叫ぶ子供に
- お菓子を買ってあげると
- 子供が泣き止んだ。
このシーンでは、泣き叫ぶ声や子供は母親にとっては嫌な刺激となるでしょう。
仕方なくお菓子を買ったら子供は泣き止みます。
その結果、またこの母親は子供が泣き叫ぶとお菓子を買い与えるようになります。
これを、虐待に置き換えると
- 勉強をしない子供に
- 罰として暴力を振るうと
- 子供が勉強をする
勉強をしない子供は親にとって嫌な刺激でしょう。
暴力を振るうことで勉強をするため、今後勉強をさせるために暴力を振るう行動が繰り返されます。
また暴力を使用することによって、子供をコントロールすることを学習した親は似た状況が発生すると暴力を繰り返す場合があります。
今回の例は勉強でしたが、お風呂に入らない・ご飯を食べないといったシーンでも暴力に頼り、最終虐待事件へ発展してしいます。
しつけに罰は不要なのか
でもそんなこと言っても、しつけに罰は必要じゃないか!
と言う意見も十分理解できます。
しかし多くの場合、罰を使用しなくても子供たちは学習できます。
なぜなら、言葉が通じない動物に日本の飼育者たちは褒めることを駆使して罰を使用せずしつけを行なっていると言う事実があるからです。
もちろん、ケースによっては罰も必要でしょう。
人間は精神性がとても高い動物です。罰によって行動を繰り返させないという技術も必要ではあります。
しかし、罰が相手に与える影響や、自分に与える副作用をしっかり認識した上で使用することが大切です。
基本的に罰は多用しません。
1撃必殺的な使用が理想です。
昔の上司は「罰は天罰が一番効く」と話していました。
また罰には副作用があり、それらを理解した上で使用しないと効果がありません。
しつけと虐待。
おそらく2020年になった今年もニュースで目にするでしょうが、この記事を読んだあなたには、その違いが伝わればと思います。
もちろん、社会制度の問題もあり子育てに悩みを抱える方々も多く存在します。
こうした悩みがある方は、厚生労働省が設ける相談所がありますので利用していただけたらと思います。
誰もが虐待なんかしたくないですからね。