なぜカンガルーはおばさんを蹴ったのか。野生動物との距離感について考える。
先日ネットニュースでこんな記事を見かけました。
今回はこうした人間との間に生まれるトラブルについて考えてみましょう。
なぜカンガルーはおばさんを蹴ったのか。
あなたもカンガルーといえば、容易にイメージができると思います。
オーストラリアに生息しているカンガルーは、お腹に袋を持つ有袋類の仲間でイメージは非常に可愛らしいものの、現地では危険な動物として認識されているようです。
今回起こったトラブルは以下のようなポイントがありました。
1野生動物の生息域に人間が進出
2飼い犬がカンガルーを追う
3おばさんと犬 vs カンガルー
4カンガルーの退路がなくなる
最も注目したポイントは2番と4番
記事によるとまず、飼い犬がカンガルーを追い、その後飼い主がカンガルーの退路を断つようにポジションを取ったそうです。
(この時点でカンガルーはパニックに陥ったのが分かったそうです)
2番は、逃げたカンガルーにとって、犬に追われたことは嫌悪刺激だったことは間違いありません。
嫌悪刺激に晒された動物はその刺激から逃れようとします。
行動分析学では、これを逃避行動と呼びます。
しかし今回のケースではカンガルーは逃げ切れず、尚且つ飼い主が登場した事により退路を絶たれ逃走から闘争へ持ち込まざるを得なかったのではないでしょうか?
飼育環境においても起こりうる可能性
これは、あなたが飼っているイヌやネコでも充分に起こりうる出来事で、決して他人事ではありません。
動物に対してトレーニングを行ううえで、プレッシャーがかかった際に逃げることが出来る退路を確保すると言うのは非常に重要と感じます。
逃げる場所があることは、彼等が私たちと闘争をする確率が低くなるからです。
もちろん、闘争をする対象と良好な関係は築けませんから、飼い主の皆さんには動物が如何に安心して接してくれるかを考えて欲しいと思います。
野生動物との接触で気をつける5つのこと
1餌付けされた学習によって過度に人に接近
2野生動物の生活環境の汚染
3過度な接触により野生動物に身体的害がある
4野生動物がもつ菌や寄生虫が人間に感染
5人間がもつ菌が野生動物に感染
近年、野生動物に接近して観察できるツアーや餌付けされた野生動物との触れ合いアクティビティが多く見受けられる様になりました。
西オーストラリアのモンキーマイアは、イルカ好きには有名ですね。
動物園や水族館では見れない野生の姿が観れるとあって、非常に人気らしいですが野生動物に人間が関与すると、必ず影響が出ることを覚えていて欲しいと思います
まとめ
まとめです。なぜカンガルーはおばさんを蹴ったのか。
1.人間と野生動物との生活エリアが重複
2.カンガルーが人間やイヌに対し脅威を感じた
3.退路を断たれたことで逃走から闘争に持ち込まざるを得なかった
おそらく、こうした出来事は世界の各地で起きていて、いつ私たちがその被害者や加害者になるか分かりません。
野生動物や身近な動物と接する時、頭の隅にこの話を覚えていて欲しいです。